2016年12月25日

四十九日は故人との最後の別れであり最後の祈り

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本の風習の多くは仏教のしきたりを守っていたり強い影響を受けていたりするものが殆どです。仏教と一言に言っても真言宗や浄土真宗や日蓮宗など様々な宗派がありますが、宗派問わず日本人に馴染み深い仏教の風習と言えばやはり法事でしょう。ですが、何となく仏教の風習である事は知っていても詳しい意味まではよく知らないという方が多いのではないでしょうか。例えば、四十九日という言葉は何となく聞いた覚えがあるかもしれません。

あるいは四十九日だからとお寺に行った方も少なくないでしょう。ごく近しい親族のみが出席する法事ですが、ではどのような意味があるのでしょう。まず人は亡くなってすぐ成仏、つまり仏になるわけではなく仏になる為に幾つかの段階を踏んで行きます。故人は葬儀で黄泉の世界への旅立ちを開始します。次に初七日ですが、最近は忙しい人が多いため葬儀の日にまとめて執り行われる事が増えましたが、故人は亡くなったその日を含めて7日経つと三途の川にたどり着きます。

三途の川を渡る際に激流にならないよう初七日という儀式を行います。そして故人は亡くなった日から35日で閻魔様の審判を受け49日で完全に黄泉の世界へ行き、現世と完全に別れる事となります。この時無事極楽浄土にたどり着けるよう最後の祈りを捧げるのが四十九日です。つまり故人の魂との最後の別れです。忙しいからと年々法要が簡略化されてきましたが、これらは単なる事務作業ではありません。感謝の気持ちを込めて故人へ祈りを捧げる為にもせめて正しい意味を知っておくと良いでしょう。